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器と版画 やなぎもとなお 72枚の銅版画やタブロー 

 

前回のブログでやなぎもとなおさんのご紹介を始めました。つづきです。やなぎもとなおさんのお宅は静岡県藤枝市の奥の方。河をずっと上っていくと「えー、こんなところに家なんて、、、、ある」って具合です。車一台もすれすれの農道を登り切った岩の上、崖の上、山の上、なんて言ったら伝わるかなあ。河も源流に近づくとよくある大きなしっかりした岩、そこに何件かが家を建ててみたら野良作業がはかどって、と言わんばかりの数件のなかの一件。なおさんが偶然と必然的に出会った旧家です。なおさんがこの家に引っ越してくる前は元々はおばあさんがおひとりで住んでいたそうです。そのもっと前はみかんとかお茶とかをたくさんの人で収穫していたようで、農機具がいっぱい入った広い作業場も付いています。にぎやかなときもあっただろうと思うわせるこのお家。おひとりで住んでいたおばあさんは、なおさんのファンだったそうです。静岡新聞の夕刊でお料理のレシピを連載されていたなおさん。そのイラスト付きのコラムを切り抜いてとってあったそうです。「なんかうれしくってさ。」となおさん。その後すこしづつ手直しして、それでもなるべくそのままに暮らしている様子。6年前野山を走り回って小学校1年生だった娘さんは中学2年生。おとなしくお部屋で本を読んでいました。お兄ちゃんは大学生と高校生。それぞれもう自分の用で家にはおらず。我が家の息子たちも様子の変わったやなぎもと家に少し緊張気味でした。

人も家も成長するんだね、でもなおさんと私は少し距離が縮まった気がしています。それはわたしがやっていきたいことの方向性みたいなものがうっすら出来てきたせいでもあるし、こどもたちが大きくなってきて気持ちの余裕ができたせいかもしれないなと思います。

大きな玄関から笑顔で出迎えてくれたなおさん。お家の中には気になるものばかりがいっぱいでした。ひとつひとつが現役で飾りのものではなく、竹ぼうきひとつ、おこさんの描いた絵一枚、窓ガラスに貼られた鳥の切り絵一羽、もちろんちゃんとした作品たちも「しごと」をしているように感じました。あんな風にアートを家の中に取り組むことが出来たらなあ。そんな魅力で溢れたなおさんのお宅兼アトリエでコーヒーを頂きつつ銅版画についてお聞きしてきました。今回のとても楽しみにしているワークショップの制作工程なども。つづく。