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木工挽物の器

弊社 岸本挽物製作所では色んなお仕事をさせていただいております。オリジナルの物にも、もちろん力をいれておりますが施主の方からお仕事を繋いでいただき「量産」体制にも応じております。とはいえすべて手仕事ですので無駄なく的確にご希望なものづくりにたどり着くには、数か月も試作品だけでなかなか実際の仕事にならない、なんてことは多々あります。挽物は刃物作りから、すべて一人の職人が手掛けておりますので微妙なラインなどにも配慮できるのです。平成25年伊勢神宮の式年遷宮お祭りの際に信仰の深い方へ一輪挿しの贈り物として依頼をうけました。その時には弊社で下請けしたことは公表できなかったのですがもうすでに4年も過ぎたことですし、、従来ほとんどの場合材料は先方様に持ち込んでいただいております。ですので材料を無駄にすることなく仕事を進めるのは得意。旧御社殿のヒノキを使っての製作はまさに腕の見せ所でした。

ここからはブログ管理者BUのつぶやき程度の内容です。すいません。。

先日、母の「お伊勢さんのお土産の赤福だよー」を食べながらふと思い出しました。あの一輪挿しはどんな人の手に渡るのかしら。。

そもそも20年に一度総建て替えなんて考えられないなーと一般庶民は思うもの。今はリノベーション、遊休不動産を活用しようと(弊社もイベント開催したばかり)するさなか、いっつも新築なんて神様ってリッチ。と思い調べてみました。

もちろんお祭りをやることで奉納があることは第一ですが、その建築技術の継承や調度品の保全にも一役かっているのです。天武天皇のご発案から持統天皇(690)の1回目から1300年も変わらないお伊勢さんの佇まいは「すっきり建て替え」にあったのです。究極の断捨離。。建物まるごと変えちゃうなんて。かっこいい。でもその材料で「リメイク」の仕事が回ってきたわけですから、やっぱり我が家らしいなと思う次第です。

新品のヒノキの香りと色合いももちろん好きですが、経年変化して艶っぽくなった20数年物の一輪挿しも大好きです。16年後もぜひこういうお仕事はしたいなあと思いました。

 

2017年12月15日 , 木工挽物